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鬼カサゴ釣り考



「富山湾で冬場に何を釣りたい?」と聞かれれば、即座に鬼カサゴと答える
私はそれほど入れ込んでいる
理由は簡単だ、美味に尽きるからだ

しかし、店頭に出回ることはないので、自分で釣って食べるしかない
冬場の朝は厳しいが、釣るためには自己を鞭打ち、沖を目指すことだ


 1.北陸の釣期
 
鬼カサゴも秋から冬場にかけての釣り物だ。 この頃の身を透かせて見れば、虹色に輝いている。 二、三度夏場の呑ませ釣りの外道で釣れた鬼カサゴを食べてみたが、 身は白濁しており、食味はいまいちだった。 また眞子を持ったのもいたので、どうも産卵は夏場らしい。 したがって、夏場は釣らない方がよいだろう。 稚魚を育成放流している真鯛やヒラメとはわけが違う。


 2.富山湾のポイント

 
富山湾の鬼カサゴを釣ろうと思えば、定置網近辺が確立が高い。 定置網は根や台地の張り出した上に設置してある。 それをとめる土嚢や基礎石近くが鬼カサゴの格好の棲家になっている。 定置網のブイに対して大体45度の角度でロープが張られているという。  つまり、水深80mに設置されているブイは、約80m離れた海底とロープで繋がれており、そこが土嚢部分となる。 釣りは定置網のブイから50m離れなければならないという規則があるそうなので、50m離れた位置からボートを流して、土嚢近辺を通るようにすればよい。
注意:左の図は私の想像図ですので
確認したわけではありません、念の為。


 3−1.使用タックル
竿
 以前はオモリ負荷30号、長さ2m40の中通し竿を使用していたが、落下速度に不満が出てきた(竿の摩擦、電動リールのスプールの回転速度の劣化等)ので、 現在は外ガイドのDAIWAのLEADING−XL AMAMARUをアマダイ釣り兼用で使用している。 鬼カサゴ釣りは、先調子よりも、食い込みを重視した64調子や真鯛竿の55調子が良いだろう。
 3−2.使用タックル
リール・道糸
リールは何でもと言いたいが、アマダイ釣り同様小型電動リールがベストだ。 サバやサンマの短冊は餌盗りに結構強く、沖アミほど確認の必要はないので、頻繁な上げ下ろしは少ないが、 水深が深いこともあって、手巻きリールでは能率が悪い。
私はSEABORG400WとHYPER TANACOM 400BDeを使用している。  Adoventure電動VS300もたまに使用するが、これは釣果よりも釣り味を求めるときだ。
 3−3.使用タックル
天秤・オモリ
天秤はアマダイ兼用で30〜40cm長の廉価なものを、予備を含めて2〜3組は持参しておきたい。  オモリは50〜70号ぐらいのものが釣り味も良い。 ただ、スパンカーを使用せずに流す場合は、もっと重いオモリが必要かも知れない。


 4.仕掛け
 




トリプルサルカンより下の部分を予備の仕掛けとしている

根掛かりで切ることを考えれば、ハリスは4号でもよい
5号はたまに釣れる外道のメダイを想定したものだ

私はあまりデコレーションは好きではないのだが
タコベイトは鬼カサゴには効き目があるような気がする
蛍光薄グリーンに加えて赤やピンクのタコベイトも良い
 

 5.餌
 
 鬼カサゴは以外と何んでも食う。 サバやサンマの短冊は一般的だが、アナゴやソーダガツオ、サーモン等の短冊や、冷凍イワシ、冷凍アジ、イイダコも使用できる。 特に富山湾においては、蛍イカの出回る頃には、これ以外の餌では食いが落ちるほどだ。 また、沖アミ餌にも結構食ってきて、アマダイ釣りの外道となることも多い。 ただ、沖アミ餌で釣れる鬼カサゴは中、小型が多い。

 6.釣り方基本

 底物釣りは皆同じで、仕掛けが着底したらハリス長の半分ぐらい上げたところが基本の棚だ。潮の速い、遅いにより加減すればいい。  時たま竿一杯ぐらい持ち上げて、下ろしてやるといった誘いをすれば効果的だ。 また、10mほど巻き上げて改めて底を取り直すのも良い。
 ググ〜ッとした押さえ込むようなアタリがあったら、こころもち送り込むような感じで、若干、竿を下げてやると食い込みが良くなる。一呼吸おいて、聞き合わせをしてやる。 ハリに乗ったら手巻きで3〜4m上げてから、電動に切り替え、中速ぐらいで上げればよい。
 ただ、鬼カサゴは非常に潮の動きに敏感だという感じがする。 どんな魚も同じだが、特にこの魚は潮が動いてないときには食いが悪くなる。 こんな時はお手上げなので、狙い魚を変えた方が無難だ。

 7.食べ方


虹色に輝く身は、まずは刺身で食べて下さい
釣った当日は薄造り、次の日はそぎ切りぐらいがよい
また松皮造りもいけますね
肝キモは天婦羅が美味なので、食塩だけで賞味したい 珍味です
これの酒蒸しも上品な味わいですよ
胃袋は包丁の先でよくこそげ、きれいに洗ってから、塩焼きにすると美味い
甘辛く煮付けても良い
ヒレは全て干して、ヒレ酒に使用する
カマの部分は塩焼きにすれば、脂の乗った歯応えの良いものが楽しめます
残った頭は味噌仕立ての鍋か、チリ鍋で食べればよい
また頭部分の酒蒸しも美味で、シャブルとゼラチン質がたまらない
もちろんカブト煮もいけますのでお好みで・・・
ただ、身の部分は熱を通し過ぎると食味が落ちるので、鍋には使用しません
身はシャブシャブで食すのが良いでしょう。
中骨は味噌汁にすると、上品な味わいが楽しめます

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