ジレンマ(詩人?の憂鬱)

 現在、私の置かれている環境は、決して詩作に向いているとはいえない。
 窓から遠く離れ、ベットサイドは、医療機器に固められ、私の視界を遮る。むろん、どの機器も、私が生きていくには必要不可欠なものばかりなのだが。
 以前は、窓際にベットがあり、鏡等を使い、病室の外をながめていた。その景色が、私に詩的イマジネーションと、インスピレーションを与えてくれていた。また、年に数度の外室は、リアルな体験となって、私の詩に厚みをもたせてくれた。
 転機は、私の考えの甘さが生んだ。
 より広い世界を求めて気管切開を決断した。しかし、想いとはうらはらに、トラブルが続き、結果自らをベットに縛り付けることになってしまった。
 それを境に私の置かれている環境は一変した。
 とはいえ、身体的状況を考えれば、今の環境がベターであることはいうまでもない。
 これ以上の環境は求められない。それは、充分に理解しているつもりだ。理解しているがゆえ、私の中でジレンマが生まれるのだ。なんとも仕難いジレンマが。
 ジレンマ、やっかいな代物だ。


  01/5/30