トンボ採り

       

風と戯れるススキの原野
西日に照らされ黄金の波
ささやき声を奏でる

ススキの波をかきわけて
虫採り網が進む
激しくススキを揺すって
トンボの群れを追いかけて

突然 虫採り網の歩みが止まった
風が静かに流れる

小さく揺れた虫採り網
いっきにトンボへと下ろされた

採れた
採れなかった
そっと網の中をのぞき込む

「いたっ」

子供の残酷を
顔いっぱいの笑顔に浮かべて

達成感と征服感に胸躍らせて
網の中へと手を入れた

次の瞬間
網の隙間から
軽々とトンボは逃げ出した
トンボはそのまま
空高く飛び去っていった

見上げた空は二つに別れ
せまくなった夕焼けと
高く輝く一番星