アルゴンプラズマ療法について重要なお知らせ
 アルゴンプラズマ凝固装置(APC)に使用する消耗品が製造中止となり、
今後施術依頼をお受けできません。
ご希望があれば金沢大学附属病院に紹介出来ます。


アルゴンプラズマ療法について


正式にはアルゴンプラズマ凝固装置(APC)による下鼻甲介粘膜焼灼術と言います。
アレルギー性鼻炎、花粉症、肥厚性鼻炎の患者様に対する治療方法のひとつです。
 
 アレルギー性鼻炎の症状を起こす中心となっている場所は、鼻に入ってすぐの下鼻甲介という場所です。
この下鼻甲介の粘膜表面でダニや家の埃、スギ花粉が反応を起こしくしゃみ・鼻水・鼻閉を起こします。このアレルギー性鼻炎の反応の場所をAPCにより焼灼し、粘膜を変性させることによりアレルギーを抑えようとする治療法です。

 APCは厳密にはレーザーとは違いますが、粘膜を焼灼・変性させアレルギー反応を抑えると言う原理・目的は一緒と考えていただいて結構です。レーザーよりも薄くまんべんなく焼灼でき、ほとんどの場合両側一度に終了することができます(レーザーの場合、数回に分けて焼灼しないといけないことが多くあります)。




アルゴンプラズマ療法の流れ


*APCは局所麻酔で行います。
  麻酔液の付いたガーゼを鼻内に入れて40分前後、下鼻甲介粘膜表面を十分麻酔します。

*手術は内視鏡下で行います。
  片鼻5分、両鼻で10分くらいで終了します。
  終了後しばらく外来で休んでいただき、特に変化がなければ帰宅していただきます。
  術中・術後を通じて痛みは軽度で十分我慢できる範囲ですが、念のため数個痛み止めを
  頓服処方しています。

*手術当日は飲酒禁止です。シャワーは可です。




術後の状態について
*APC後1〜2週間程は焼灼した下鼻甲介粘膜部が腫れ、表面にかさぶたが付くため一過性に治療前より鼻閉が強くなります。
  術後10日前後に鼻をかんだ際に大きなかさぶたが出ると、その後鼻閉は改善していきます。
  また、個人差がありますが、1ヶ月前後鼻水に薄い血が混ざる方もいます。
  必要に応じてお薬(抗アレルギー剤など)で対処します。)

*APC後2ヵ月後には80%以上の方の鼻閉・鼻水・くしゃみの軽快が期待できます。
  特に鼻閉の改善率が良好です。
  その後下鼻甲介粘膜が再生してきて長期成績は徐々に低下しますが、
  平均して1〜2年間は鼻閉のない良好な状態が保てることが多いです。

*症状が再発した場合は再度APCを追加照射することによりコントロール可能です。




アレルギー性鼻炎の治療法


1)薬物(抗アレルギー剤など)の内服、点鼻、ネブライザー吸入など保存的治療

2)下鼻甲介粘膜焼灼術(APC他、炭酸ガス・KTP・YAGなどのレーザー、硝酸銀塗布など)
  →外来処置で日帰り可

3)手術(下鼻甲介切除術など:全身麻酔、入院が必要)

4)舌下免疫療法:アレルギーの原因であるアレルゲンを舌下部粘膜から毎日少しずつ投与、
        吸収させることによって、体をアレルゲンに慣らし、症状を和らげたり、
        根本的に体質改善が期待できる治療法です。
        現在、12歳以上のスギ花粉症とダニアレルギーの患者さんに保健適応となってます。
  詳しく知りたい方は→*鳥居薬品HPへ
               *シオノギ製薬HPへ