第4回 「四十九日(大練忌(だいれんき) ―“仏道を歩む機縁”として―

人は亡くなってから次の生を受けるまでの間、「中有(ちゅうう)」といって、生と死の中間的な期間の中で、次生に生まれ変わる準備をするとされています。その長さは定まってはいないものの、凡そ七日毎に変化し、最長四十九日で次生に生まれ変わるとされています。

そうした説を受けて、遺族の方々は、故人様が次生には仏様に生まれ変わり、遺された者たちの心の支えとなることを願い、七日毎の追善供養を行ういます。そうした遺族の方々の願いが通じて、故人様が仏様の弟子として新たな生に生まれ変わるのが、「四十九日」と呼ばれる日です。四十九日は「大練忌(だいれんき)」とも言います。この日は、故人様が「中有」の期間の中で、この世の遺族の方々の励まし等を受けながら、仏道修行に励み、仏様の世界に入って、仏弟子という新たな生をいただく日という意味で、故人様にとって、生まれ変わりの再出発となる「おめでたい日」とも言えます。

また、遺族の方々にとっては、故人様を晴れて仏様の世界にお送りすることができたのを確認する日でもあります。その中で、これからは故人様が仏様として、自分たちの心の支えとなり、困ったとき、苦しいときに救いの手を差し伸べてくれる存在となることを信じると共に、自分たちも悲しんでばかりいるのではなく、少しでも前向きになり、仏のみ教えに従って、故人様と共に正法を歩む決意を固める日でもあります。すなわち、「故人様の死をきっかけとして、故人様もご遺族も共々に、仏様とのご縁を結び、自分自身の人間性を練り上げていくこと」が大練忌における大切な課題なのです。

尚、大練忌を迎えるに当たり、白木の仮位牌は黒塗りの位牌に変わります。また、過去帳に故人様の戒名(法名)を記載します。そうした故人様の死(この世での別れ)とあの世での再出発を確認し、共に成仏(仏と成る)の機縁として、四十九日(大連忌)の場を大切にしていきたいものです。