「
前回、「仏遺教経」は正式には「
お釈迦様がお亡くなりになる直前、お弟子様の中でも、長年に渡ってお釈迦様に侍り、多くのみ教えを聞いた“
「師(お釈迦様)がお亡くなりになったら、私たちは何を拠り所に生きていけばいいのですか・・・?」
阿難様の問いにお釈迦様はお答えになりました。
「阿難よ、私は教えることは全て説き尽した。私が亡くなっても、怠けずに修行を続けなさい。そして、これまで私が説いてきたみ教えを拠り所として日々を過ごしていってほしい。」
お釈迦様の阿難様に対するお言葉には、阿難様始め多くのお弟子様たちに対して、「日常を大切にし、一生懸命、修行し続ける自分自身」と「お釈迦様ご自身が長年に渡って説いた法」を支えとして生きていってほしいという願いが感じられます。支えとは暗闇を歩く我々の足元を照らすライトのようなものです。そこから前者を「
そうしたお釈迦様が阿難様始め、ご自身が亡き後に遺される人々が心安らかに生きていくことを願って説かれたのが「仏垂般涅槃略説教戒経(仏遺教経)」なのです。仏(お釈迦様)が人々の般涅槃(煩悩の火を完全に吹き消した心安らかなる状態)を願って、お弟子様たちに教え説かれた経典ということです。「垂」とは「
それでは次回より、内容を味わっていきたいと思います。