第42回「毒蛇・黒蛇のごとき煩悩 ―“異例のGW”をどう過ごす?―」
煩悩の
譬
前段でお示しされた「三毒煩悩」(貪り・
昨年(令和元年)のゴールデンウィークは、改元もあってか、日本国中がお祝いムードで多いに盛り上がっていました。ところが翌、令和2年のゴールデンウィークはと言えば、新型コロナウイルス(COVID19)が終息する気配すらなく、緊急事態宣言の5月末日までの延長がほぼ確定といった状況です。「stay
home」という言葉に言い表されているように、今年は日本中が去年どころか、これまでとは打って変わってのゴールデンウィークを過ごしております。
こうした状況下でこそ、これまでの自分たちがやってきたことを見直すいい機会ではないかという意見もあります。私もその賛成者の一人です。特に、これまで明確な理由もなく、〝昔からそうなっていたから〟という理由だけで行われてきた行事や組織運営、各種決まりごとなど、その存在意義を現代の視点で再確認し、必要なものは継続し、不要なものは改善していく機会が来たのではないかと思っています。
計らずも、今日は「憲法記念日」です。戦後、昭和22年(1947年)制定され、73年もの間、改正されることのなかった日本国憲法について、政府が2020年度中の改正を唱えながらも、コロナが猛威を振るい、それを引き留めているような感があります。そうした憲法改正のような大きな課題はともかくとして、私たちの身近なところには、見直すべきものが多々存在しているような気がします。
「stay home」のゴールデンウィークを過ごす中で、色々なことが頭を過ぎるのですが、この期間に三毒煩悩を放ったらかしにしたまま、惰眠を貪り、感情の赴くがまま怠惰な生活を送っているようでは、自分の身心が調うはずがありません。キャンプ場や公園で何者かが好き放題な使い方をして、食べ散らかした大量のゴミを片付けている方々の姿がテレビで放映されていました。こうした大自然を自分の好き勝手に荒らす節度を失った行為こそ、身心が調っていない行為と認めざるを得ません。異例のゴールデンウィークこそ、「三毒煩悩を眠らせる期間」と捉え、自分たちの身心を調えていきたいものです。