第38回「
先人の経験や教えを学び、日々の生活に生かしていく
この禅語では、「
新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、様々な行事・イベントが中止や自粛となりました。石川県内でも
そういう意味で、よりよい今を目指す上で、過去を学べる記録等の重要性に気づかされるわけですが、5月に入り、北國新聞では「
1918年11月16日付の記事には、金沢市の児童総数15,300人に対し、8割に当たる12,183人の児童が悪性感冒に罹病し欠席したことや、相次ぐ死者で金沢市内の火葬者数が平時の3倍を超えたことが記録されているそうです。スペイン風邪による死者は世界で2千万~5千万人、国内で25~45万人とのことですから、今回のコロナ同様、海を渡って全世界に感染が拡大し、多くの人々を苦悩させた点では、典型的な前例だったことが伺えます。
当時の金沢市内における全児童の8割がスペイン風邪に罹患した背景には、皆勤賞を目指し、多少、体調が悪くても登校させる風潮が少なからず影響したのではないかと、当時の新聞は記録しています。勉学や労働に真面目に取り組むのは大切なことですが、これからの時代は、感染症が発生したら、今回のように直ちに休校、自宅待機、在宅勤務等の処置を講じ、その中でどう学習し、どう働くかを今後は考えていくことが求められてくるような気がします。
ちなみに、コロナの除菌にはアルコール消毒がいいとのことで、大量の飲酒をしようとしていた酒好きな方がいらっしゃいましたが、100年前にも同様の方がいらっしゃって、昼夜の飲酒によって、却って死期を早めたという笑えない話もあるようです。過去は様々な情報を現代の私たちに発しています。一つ一つ学びながら、よりよい日常生活を目指していきたいものです。