灌頂洒水(かんちょうしゃすい)

「灌頂洒水」は「お清めの儀式」です。「灌頂」というのは、「浄水を頭頂に注ぐこと」です。「灌」には、「注ぐ」という意味があります。また、「洒水」とは、浄水(じょうすい)(清らかなる水)を降り注いで道場等をお清めすることです。「洒水」の方法は、洒水器(浄水の入った器)の中に満たされた浄水を、散杖(さんじょう)洒水枝(しゃすいし))という長さ30pほどの棒状の仏具の先端に付着させ、お清めする対象がずぶ濡れにならない程度に、少しだけ振り撒くという形で営まれます。

仏前結婚式における「灌頂洒水」は、式師様が新郎新婦の頭上に洒水を施します。これには、新郎新婦がこれまでの人生の中で、知らず知らずのうちに犯してしまった罪科を、御仏のお力をお借りしながら洗い清めるという意味があります。そうした浄水を、新郎新婦は合掌低頭しながら、式師様よりいただき、身心共々に清らかなお姿となって、仏前において夫婦としての契りを結ぶ心の準備を調えていくのです。

ちなみに、こうした「灌頂洒水」という「お清めの儀式」は、禅門の法要では、度々、営まれます。