かけがえのない地球に  

2005年2月16日、先進国の炭酸ガス排出量を規制する「京都議定書」が発効しました。 
地球温暖化の主な原因となっている炭酸ガスの排出量を規制して、海面の上昇、異常気象、生態系の破壊の進行を抑え人類を含むあらゆる生物の滅亡を遅らせるためのものです。
人類は、果てしない欲望を満たすために毎年200億トン以上もの炭酸ガスを排出しています。その炭酸ガスが、人類を含めた全ての生物の未来を食いつぶして現在の生活水準を維持していることになるのです。あなたが捨てるポリ袋、僅か50m先のコンビニにタバコを買いにいく時に使う車、毎日ゴミ袋に無造作に投げ込まれる膨大な量のゴミ、不必要な照明、これら全ての行動があなたの子孫も含めた地球上の生物を確実に滅亡の淵へ追いやっているのです。

炭酸ガス排出量(2001年)
  米国:24%   中国:13% ・・・・京都議定書に参加していません。
  ロシア:7%   日本:5%    インド、ドイツ:各4%
  英、加、伊、韓、仏、メキシコ、豪:各2%   その他:29%  

京都議定書では、先進国の2010年の炭酸ガス排出量を1990年実績の6%カットすることを求めています。

議定書の詳細は分かりませんが、

等々の理由からその成果を危ぶむ声もあります。しかしその時は着実に迫ってきているのです、しかも信じられない程の速度で。危機が顕在化するまでにあと何年の猶予があるのでしょうか、5年、10年、50年?。

2002年度の日本の炭酸ガス発生の実績は、約8%の増加でした。これも含めると2010年までには日本は14%のカットが必要になります。今のままで推移すると仮定すれれば、日本は2010年には1年のうち50日間は一切の化石エネルギーを使用しないで生活することが求められることになります。そのような事が出来るのでしょうか。

愛すべき青い小さな地球。これまでに多くの大変動に見舞われながらも現在のような姿になってきました。
今あらためて地球の歴史を振り返ってみることも環境問題を考えるに際して何らかの参考になるかもしれません。

13,500百万年前    ビッグバン 宇宙の誕生
 4,600  〃      地球誕生
 4,000  〃      アミノ酸生成、原核生物発生
 3,000  〃      クラゲ発生
   500  〃      魚類発生、両生類発生
   400  〃      哺乳類発生
   250  〃      スーパープルーム
   200  〃      恐竜発生
   180  〃      地球上唯一の大陸バンゲア、2分裂しローラシアとゴンドワナに
    75  〃      恐竜全盛
    65  〃      恐竜時代終わる
    60  〃      鳥類発生
    50  〃      インド、ユーラシア衝突。ヒマラヤ山脈生成
     2  〃      人類の起源(アウストラロビテクス、ホモエルガステル、バラントロプス・ロブストス)
     0.09  〃   ホモサピエンス発生
     0.001,896  〃  (1896年) フォード1号車完成
     0.001,903  〃  (1903年) ライト兄弟初飛行
     0.001,957  〃  (1957年) 人口衛星スプートニク

(以下は2月26日にNHKで放映された「地球大進化・生命と地球環境をめぐる物語」から一部引用しました。)

長い地球の歴史の中で、人類が環境汚染に重大な影響を及ぼすようになってから僅か100年にもなりません。
人類はこの短い時間でこれまで起こったどの環境変動よりも大きな環境変化を地球に与えつつあるのです。

ホモエルガステル、バラントロプス・ロブストスから始まり20種類もある猿人、原人、旧人、新人の中から何故ホモサピエンスのみが生き残ったのでしょうか。その秘密は気道の長さの差による言語能力の発達の差によるものと考えられています。つまり人類は、遺伝子とは異なる言語能力というもう一つの変化の方法を入手したのです。

それによる格段に早い知識と能力。それが僅かな時間で人類の一人勝ちの状態を作り上げてしまったのです。しかし、言語は両刃の剣でした。人類は今、地球史上最大の変動を自ら起こしているのです。

人類は毎年200億トンもの炭酸ガスを排出しています。これは2億5千万年頃に起こったスーパープルームにより発生した炭酸ガスの300倍もの量になります。スパープルームがきっかけになり地球が灼熱地獄になるまでに10万年単位の年月がかかりました。(スパープルームは地表から2900kmの深さにあるコアとマントル境界で、間欠的に発生する高温のマントル上昇流。今でもアフリカ大陸からアイルランドに至る大陸溝帯にその跡が見られます。)

全海洋蒸発、全球凍結、スーパープルーム、大陸移動、巨大隕石の衝突、過去にも想像を絶する様々な変動が地球を襲ってきました。
しかし、私達が今引き起こしている変動はそのどれにも引けを取らない大きなものなのです。人類が起こしつつある温暖化は生物の95%を絶滅させた自然現象、スーパープルームよりも遙かに早いスピードで環境を破壊しつつあるのです。更に温暖化だけでなく人類による様々な環境破壊により多くの生物(人類も含めて)が絶滅の危機に瀕しているのです。

はるか未来から現在の地球を振り返ったとすれば、現在は人類が地球史上最大の生物絶滅を起こした時代として記録されるに違いありません。
この地球上で奇跡的に引き継がれてきた命のリレー、そのバトンは今あなたの手の中にあるのです。

                                        (記 黒沼 徹)