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番号 写 真 観 音 の 説 明
一番

 岩座風の座上に右膝を立てて座し、右腕を曲げて、手を顎の下に置いて顎を心持ち傾ける思惟像である。左手は腹の前で伏せている。面相体貌ともに倶利伽羅観音中最も女性的である。番号を頭光内に刻むのは、他に二十番一例あるのみである。

所在地図
二番




 右手の第1指・2指からして施無畏印であろう。やや両膝を屈したように見えるのが特色である。安居寺(富山県福野町安居)の聖観音に習ったのであろう。

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三番

 右手は与願印のようである。左手で蓮の花を支えているようでもある。宝冠に白衣をかけるので、女人形観音である。銘文に見える大崎屋嘉兵衛の大崎屋は石川県宇ノ気町大崎出身の回船問屋で、代々嘉兵衛門を名乗り、文久の頃清水村の組合頭であった。その分家の初代嘉左衛門(文化四年没)は石川県津幡で質屋、油屋をいとなんだ。
 明治になり造酒屋となり、現在の当主は久世嘉太郎氏でありまだ「嘉」の字が続く。

所在地図
四番

 二番とよく似て両膝を屈した像である。印相や持物も似ており蓮座、頭光も同じだが白毫がないこと、衣文や面貌の相違から系統が異なる。油屋新助は津幡町由雄一族の本家という。
 天保の頃、油屋与三兵衛がおり明治初年に油屋八之助なるものが「津幡町史」に見える。

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