第19回「
仏教の開祖・お釈迦様の生き方である「戒」はインドから中国、そして、日本へと伝わりました。いつ、何時も仏教を信仰する人々によって護られ、受け継がれてきた戒はまさに、「諸仏の受持したまう所」なのです。
ここで、「受持」という言葉が出てまいります。これは「
『法華経の教えを弘めていく者には「5つの実践」が必要である。5つは、1つの「正行」と4つの「助行」に分けられる。正行とは主となる大切な実践で、法華経の教えを常に実践することである。助行とは正行を肉付けするための補助的実践であって、具体的には、法華経を目読すること(読)、口や心の中で誦すこと(誦)、説法すること(解説)、写経などお経を書くこと(書写)、そうやって教えが全身に植え付いていくのである。』(法華経 法師品より)
つまり、「受持」とは、自分の身心に法華経のみ教えが浸透し、どんなときも実践できるということなのです。そのために、書いたり読んだりすることが効果的なのは言うまでもありません。そうした「助行」によって「正行」が実践できるようになっていくのです。
それは仏教全般に当てはまることで、当然ながら、「戒」にも通じます。これまでお釈迦様のみ教えを受け継いできた祖師方は、お釈迦様に深く帰依し、決して、怠ることなく戒を護り、戒と共に生きてきたのです。すなわち、信仰を保ち続けてきたのです。それが「受持」なのです。
仏弟子として生きていくということは「戒が受持できている」ということなのです。