用心 
―ありがたい人″ってどんなひと・・・?―

私たちのまわりには一人や二人はありがたい″と感じる方がいらっしゃるかと思います。そんな「ありがたい人」ってどんな人なのでしょうか?

曹洞宗の修行の根幹は坐禅です。開祖道元禅師様が「普勧坐禅儀」の中でお示しになった坐禅の方法に従って、足を組み、手を組み、姿勢をまっすぐに調えることで、心が安らかになっていきます。

坐禅を行う際、こうした姿勢を調えることに留意し、心を配りますが、仏教ではそれを「用心」と申します。一般の社会でも「火の用心」というように、火災に対して注意を促す言葉がありますが、坐禅中に姿勢を調えることに用心するように、日々の生活の中で、周囲に存在するいのちに心を配り、お互いに安心して過ごせるような言葉や振る舞いを発していけるような人が、坐禅が指し示す「ありがたい人」なのです。


                                           
 【第2回に続く】