六波羅蜜(ろっぱらみつ)」とは 
―“こっち”と“あっち”が一つになるために―
 

「六波羅蜜」とは、彼岸から此岸に向かって発せられている仏のみ教えであり、我々が此岸において、よりよく生きていくための6つの方法です。
それを下記の一覧にまとめてみました。

(1) 布施 ふせ 相手の性別や立場など、見た目に捉われることなく、全てのいのちを大切にしていくことを心がけ、皆が喜ぶ言葉や行いをやり取りしながら、関わっていくこと。
(2) 持戒 じかい 戒(仏様の生き方)に従って一生涯を過ごしていくこと。
(3) 忍辱 にんにく この世のうれしいことも辛いことも分け隔てることなく、全てを受け止めて生きていくこと。
(4) 精進 しょうじん 混じりけのない状態(精)で、彼岸に向かってまっすぐに進んでいくこと。
(5) 禅定 ぜんじょう 坐禅をしているときのように、どんなことがあっても身と心を落ち着け、乱さないようにしていくこと。
(6) 智慧 ちえ 六根(ろっこん)(眼・耳・鼻・舌・身・意)で捉えた情報を自分の好みや都合で「好・悪」、「良・悪」というように二分することなく、全てを受け止めていくこと。
この六つは、それぞれ個性を有したカラーの異なるみ教えなのですが、六つとも彼岸への道につながっているという点では同じです。それはあたかも一本の串で貫かれた6色の団子のようなものです。

ですから、六つ全てを一度に行おうとする必要はありません。どれか一つを選び、それを徹底的に日々の生活の中で実践していくことで、自ずと他の五つを実践することにつながっていくのです。
 
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