「成仏」というと、「死後の世界のこと」というイメージが強いですが、本来はそうではありません。この言葉は正しくは「成仏得道」と申します。つまり、「仏と成り、(仏の)道を得る」ということです。すなわち、私たちがお釈迦様のみ教えに従って、身心を調え、言葉や行いを提示していくことによって、私たちは仏に近づいていくのです。ですから、成仏は死後の世界のことと限定的な捉え方をするのではなく、むしろ、今を生かされている私たち一人一人に与えられている“生きる課題”であると捉えるべきなのです。
成仏-「仏に成り、仏の道を得る」-そんな日常を送ることが、仏のいのちを殺さずに生かす「不殺生」なのです。そして、そうした「不殺生」が、「仏の慧命を嗣続する」ことなのです。我々一人一人が、そんな「成仏の日常を送る」ことを切に願います。 【おわり】
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