第13回「金沢の偉人@ −ジャーナリスト・
−「言いたい事と、言わねばならない事とは厳に区別すべきである」−
これは石川県出身のジャーナリスト・
明治の終わり頃から昭和初期にかけて、反戦・反権力の言論を展開した悠々氏の生き様は、近代日本を支えた金沢ゆかりの偉人たちの業績を紹介する「金沢ふるさと偉人館」にて、先の名言と共に紹介されています。
それにしても、この名言は心にズシリと響くものがあり、考えさせられます。「言いたい事」と「言わねばならない事」、一体、どれだけの人が使い分けながら日常生活を送っているでしょうか−?金沢ふるさと偉人館に展示されている悠々氏の名言を前に、私は今まで、言いたい事ばかりを口にする割には、言わなくてはならないこと(言いにくいこと)に対しては口をつぐみ、避けたい現実から逃げることばかり考えてきた自分の姿に気づかされ、大いに反省させていただきました。
過去を振り返ってみると、トラブルはできるだけ避けたいからと言って、表面的な和合を保つべく、言わなくてはならないことがあっても、言わずに貯め込んでしまったがために、状況が一層、悪い方向に向かってしまったことがありました。逆に、言葉にして発すれば、多くの人が不快感を覚えたり、傷ついたりするようなものを使ってしまい、場の雰囲気を乱してしまったこともありました。状況をよくよく観察した上で、今は何を言わなくてはならないのかをよくよく考えてから言葉を提示していくことを習慣づけていくことの大切さを悠々氏の名言から学ばせていただいたような気がします。
そうした十分に考えてから言動を提示することの大切さを曹洞宗の開祖・道元禅師様もお示しになっています。一日の終わりに、道元禅師様が会下の修行僧たちにお示しになったことが筆録されている「
こうした道元禅師様がお示しになっていることを一つのポイントとして押さえた上で、「言いたい事」ではなく、「言わねばならない事」を口にして、自分の周囲に利益を廻らしていけるようになりたいものです。