第4回 SDGsに学ぶ
“誰一人として取り残されない社会”を実現していくために
 2015年の国連総会において、193の加盟国の全会一致によって採択された『SDGs(エスディージーズ「持続可能な開発目標」』―そのSDGsが掲げる17の世界的目標や“誰一人として取り残されない社会の実現”というフレーズ等は仏教の指し示すところとも合致しています。2018年、「WFB世界仏教徒会議」において、仏教界全体で「SDGs」の実現を支援していくことが表明。翌2019年には曹洞宗でも“誰一人として取り残されない社会の実現”に向けた布教活動が展開されていくようになりました。

―“誰一人として取り残されない社会の実現”に向けて、私たち一人一人ができることは何か?―
それが先の「八正道(はっしょうどう)」の“正”に表されているような“偏らない”ということなのです。一点だけを重視し、評価していくようなことをせず、全体を見渡し、受け止めていくのです。そうした偏らないモノの見方や考え方、言葉の発し方、物事への取り組み方を始めとする「偏らない生き方」を日常生活の中で心がけてくことによって、“誰一人として取り残されない社会”が少しずつ実現していくと信じております。

今日も新型コロナウイルスの感染者が高止まりしている中、感染者が社会から排除されることがないよう、皆が差別なく、平等に救われることを願って、今月の法話を終わらせていただきます。 【終わり】