それにしても
チビコと同じ家の中で飼うわけには行きません。小鳥はとても焼き餅焼きで飼い主の気持ちが自分以外に向くことを許しません。場合によっては死んでしまうことさえ有ります。
よほどお断りしようと思ったのですが好奇心も手伝い、出来るだけ早く独り立ちさせることを条件に引き受けてしまいました。
仮の宿としてスーパーで買い物をするときの籠をを加工し、近くの松に取り付けました。上蓋はダンボールを使い、ヒナが逃げ出したり、猫などの外敵が入らないようにし、親鳥が餌をやりやすい位の隙間を空けました。
実際はこちらの考え通りには行かず、朝5時から夜9時頃まで何度も見回るのですが、どうやって逃げ出すのか、籠に入れて2時間もすればモヌケの空。
草むらを探し回り、要約見つけて籠に戻し、いやがるヒナの口をあけて餌(九官鳥用の餌)を食べさせ水を飲ませることの繰り返し。頭の上では、親鳥が私をめがけて急降下。この暑さの中、かなり疲れる作業でした。
そんなことを数日繰り返していたら、ある朝逃げたヒナが本当に見つからなくなってしまったのです。仲間の人も加わりみんなで探しましたがどこにも居ません。そうこうしているうちに、松の木の上で親鳥の鳴き声がしました。何度も威嚇するような鳴き声では有りませんでした。そちらを見ていた人が「二羽のヒナも一緒だぞ」と叫びました。
オナガの親子は、しばらく我々の頭の上で囀ってからそろって飛び立って行きました。お別れの挨拶に来てくれたのかもしれません。
カラスや猫にも食われず、事故にもあわずに無事巣立つことが出来たのです。全員で歓声を上げました。(2008.8.14)