かけがえのない地球に(6)
低きに流れない水
2006年7月2日付け朝日新聞日曜版(be on Sunnday)の「@データー」に沖大幹東京大学助教授らの計算として次のような記事が載っていました。
牛丼並盛「1杯」を作るのに必要な水は、風呂桶10杯分に相当する1.9トン(念のため数字も単位も間違いでは有りません)
牛肉を作るには1Kgあたり20トンの水が必要です。私たちが夕食にスキヤキを食べるとして100gの肉を使ったとするとその肉を作るのに要した水は2トン。
農産物、畜産物として日本が輸入する「水」の量は年間640億トンになります。(2000年度食料需給表から沖助教授試算)これらの水を「仮想水」と呼びますが、日本の仮想水の輸入量は砂漠の国、中国・イラク等を抑えて世界一の量なのです。
輸入元は アメリカ 389億トン 中国 22億トン
オーストラリア 89億トン デンマーク 14億トン
カナダ 49億トン タイ 13億トン
ブラジル・アルゼンチン 25億トン その他 39億トン
内訳は牛肉及びその資料で50%です。
(社)日本水道協会のデーターによれば、H15年の上水道の使用量は150億トン。利用人口は1億2375万人。
一人当たりの年間使用量は12尾トンになります。なんと上水道使用量の4倍強の水が形を変えて輸入されていたのです。金にまかせて世界の水をかき集めている日本、買いたくても買えない飢餓に苦しむ開発途上国。
牛肉の輸入をめぐる日米の折衝は耳新しい話です。アメリカは日本に牛肉輸入圧両区をかけていますが、その輸入がSTOPしたらどうなるでしょうか。(YAHOO JAPANきっず食育から)
主要国の食糧自給率
オーストラリア 327% ドイツ 92%
フランス 136% 英国 71%
アメリカ 127% 日本 40%
輸入がストップしたら(和食の場合)
ご飯 : 現状通り 豆腐・ワカメ・ミソ: 1回/3日
納豆 : 1回/10日 卵 : 1回/10日
ほうれん草: 毎日
海洋資源の枯渇、牧畜資源の疲弊、森林資源の減少、耕地生産能力の飽和。
経済繁栄を享受する先進国、その一方で10億人強の飢餓人口を抱える地球
2050年には現在の45%増と推定される人口の爆発。
水は高きから低きに流れるが、仮想水は金のある方に流れる。
しかし、その水源が底をつく時がきたら・・・・・。