帰 国 へ

私たち基本コースは、ここで延泊コースとお別れ。
先にバルセロナに向けて出発した延泊組に手を振る基本コースを村木氏が写真に納めてくれた。

見送ってから私たちもバスで空港へ。
ロンドン乗り換え成田に向かう。

税金が返ってくるぎりぎりの値段のハンドバックを手に提げバスに乗り込む。

空港でガイドさんに税金はユーロ圏を出るときに精算することになっていますが、運が良く向こうの気が向けば精算してくれるから並んでみましょう。
と云われた。

空港で並ぶとき何故か私が列の一番前になってしまい「とくちゃんがOKならみんなOKだな」といわれて責任を感じてしまった。
どきどきしながら並んで精算してもらえたら本当にうれしかった。

ずいぶんとうれしそうな顔をしていたらしく、「うれしそうな顔してたよ」と云われてしまった。

基本コースの人は仕事があるとか、年寄りがいるとか何か事情を抱えている人だと思う。私も93歳になる姑を抱えている。まだまだ元気で私の方が面倒を見てもらっている様な物で、姑がいなくなったら私ってちゃんとやっていけるのかなと思うときがある。でも家事を全くしたことがない夫と93歳の姑とを置いて出かけるのはずいぶんと覚悟がいる。

マドリードからの飛行機で、お隣の席と一列後ろの斜め横にベッカムばりのかっこいい若者が座った。チェンジと云ってみたがノーと言われた。
鞄から書類を出してチェックしだした。時々私の頭越しになにやら話す。低音の素敵なスペイン語だ。書類はレアルマドリードの年間スケジュールや対戦相手のことが書いてあるらしい。少し判る単語と雰囲気と私の感と。
レアルマドリードの広報かなんかかなぁ、ロンドンまで打ち合わせにでも行くのかな。なんて勝手に空想する。飛行機の席は隣の手元は見えるが顔は見えない。私の感も当てにはならない。

 もう一つ、自分のおっちょこちょいが原因なのだが、出発前にスケジュールを良く見なかった。自分で計画する事以外は素直について行く事を原則にしている(良いように云えば)
それで基本コースにサグラダファミリアが入っていないことに気がついたのは出発数日前。
もちろん延泊は出来ない状態に有るのだが本当に残念。
もう少し若いときは、いいや又来るからと云えたが今は云えない。


そんなこんなでこの旅も終わり。高校を卒業して50年。それぞれの道を歩いてきた。そしてチャンスに巡り会った数十人が旅をした。高校生の様な表情で笑い転げることが出来る仲間の中で、ふだんはエコノミークラスになんか座ったことが無い人も居るだろうに、みんな同じにエコノミーに座って。此が男の品格かなと思う。


写真を快く使わせてくださった村木君に感謝。

またプラハで笑い転げようね。