かけがえのない地球に(8)

5月1日付けの朝日は新聞は、「温暖化対策に冷水」というタイトルで京都議定書の目標を断念したことを伝えています。理由は04年の実績が目標+27%となり2012年までに目標の6%削岩を達成することが不可能となったためです。

京都議定書における主要国の削減義務
 削減義務 排出割合 
 2008〜2012年/1990年  2001年  
 全体 5%  235億トン   
 米国 (7%)  24%   議定書離脱 
 中国 ー  15%  削減義務無し 
 ロシア 0%  7%   
 日本 6%  5%  05年実績 +8% 
 インド ー  4%  削減義務無し 
 ドイツ 8%  4%   
 カナダ 6%  2%  目標達成断念 
 EU各国 8%     

     この表を見ると、議定書から離脱、断念、削減義務無しの合計が全体の45%にもなり、
     温暖化ガスの削減が如何に難しいかが判ります。


    日本の実績(炭酸ガス・百万トン)
    環境省 HPより

     1990年度
(基準年度)
2004年  2005年 
 産業部門
(工業等)
数量
対90年数量差
対90年度比 
 482 466
−16
−3% 
466
−16
−3% 
 運輸部門
(自動車・船舶等)
数量
対90年数量差
対90年度比  
 217 262
+45
+20% 
257
+40
+18% 
産業その他部門
(商業・サービス・事業所等) 
数量
対90年数量差
対90年度比  
164  227
+63
+38% 
234
+70
+43% 
家庭部門   数量
対90年数量差
対90年度比 
 127 168
+41
+32% 
175
+48
+38% 
 エネルギー転換部門
(発電等)
 数量
対90年数量差
対90年度比 
 68 75
+7
+10% 
75
+6
+10% 
 合計 数量
対90年数量差
対90年度比  
 1059 1196
+137
+13% 
1206
+147
+14% 
 
これを見ると、2005年度速報値では目標を14%オーバーし、かなり厳しい状況と言えます。

 温暖化の問題は、利益と損失で計られるものではありません。ましてや企業・国家・民族間の権益争いに用いる道具でもありません。
 また温暖化の速度及びレベルは人為的に或る一定の値にコントロール出来る程単純なものでもありません。
 そもそも温暖化対策に関する最大にして唯一の問題点は、各国の経済レベル・生活レベルが大きく異なる事です。先進国、特に米国は自国の経済発展と権益の保護を第一義に考え排出規制に反対してきました。また途上国は排出規制を設定するに当たり、先進国とのハンデ(経済発展の更なる遅れ)を問題にしています。

しかし地球という「かけがえのない星」の将来を考えるとき、自国の経済発展など、とるに足らない問題と言えます。経済が発展 しても、それを享受すべき生物が住めない地球。笑い話にもなりません。仮に、核兵器を使用し米国以外の国を全滅させたとして残った米国の繁栄が約束されるのでしょうか?子供でも判る理屈です。

もし不幸にして温暖化が或るレベルを超えた場合、核分裂に於ける臨界状態の如く温暖化の速度は加速的に上昇し、人類の英知を越えた魔物に化けるでしょう。
この結果現状でもかなり危うい状態になっている地球上の生命(人類は加害者であってその他の生物は被害者なのです)のバランスは壊滅的な影響を蒙ることになります。その意味では、規制しようがしまいが同じ結果になるのかもしれません。我々地球上の生命に残された時間はどのくらいあるのでしょうか。

一年後、数年後?利益と損失の間で揺れ動く人間達。取り戻すことのできない時間だけが刻々と過ぎていくのです。

46億年になる偉大な地球。人類が地球上に出現して高々200万年。例え地球上の生物が絶滅状態になったとしても、数百万年・数千万年の時を経て、新しい生命の秩序が新しい形で回復されるでしょう。その意味では、地球も生命も不滅なのですが・・・・・。