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病気の話



皮膚科
 皮膚病はつま先から頭のてっぺんまで非常に範囲が広く、原因もヒフの表面から体の奥深くまで多岐に亘ります。大別すると、体質やアレルギー素因が原因のもの。細菌やかび、ウイルスなどの感染によって起こるもの。そして、腫瘍や素因によって起こるらしいが、原因のはっきりしないものに分けられます。診断をするためには、症状にあわせてヒフの状態をよく観察することが皮膚科の医者の常識です。

 痒い時には大抵の人は我慢できずにゴシゴシ掻いてしまいますが、掻いたりこすったりするのが一番悪く、病気を悪化させます。昔から薬を塗って包帯を巻くと精神的に安定し、掻くこともできませんので時間がかかってもよくなる例が多かったのですが、最近の外用薬は非常に優秀で包帯をぐるぐる巻くことが少なくなっています。また、昔から湿疹とは名前どおり、じくじくと湿った状態が多かったものですが、最近ではアトピー性皮膚炎など乾燥した状態の病気が多く、湿疹よりも乾疹と名前を替えたほうがよいくらい包帯を巻かなくなりました。

 また、わが国では上水道の普及率も高く、衛生環境もよくなり毎日お風呂に入るのが普通になっていますが、折角かさぶたなどヒフを保護するためにできた痂皮を、石鹸しかも強い洗浄力を持った液状の洗剤でゴシゴシ洗って皮脂とともに落としてしまうのですから、軽症の皮膚病は治るのが遅くなってしまうばかりではなく悪化の原因になってしまいます。昔からお風呂に入って死んだ人はいるが、入らなくて死んだ人はいないって言うでしょう。フケがでるといって毎日ゴシゴシとシャンプーしてはいませんか。洗髪はだめと言うと患者さんにまるで悪人でも見るような目で見られてしまいます。

 皮膚になにかできたといって、引き出しの中の外用薬を適当に塗ってはいませんか。運よく治ればよいが、こじらせてから皮膚科に来られるのは病態が変わっていて大変困ります。私はちょっとした小さな皮疹でもできるだけ体の広い部分を診て病気の発見に努めています。


泌尿器科
写真  泌尿器科は腎臓から膀胱、尿道とオシッコが作られて外へでるまでの間にある器官を対象にした診療科です。一般的には女性は膀胱炎が一番多いと思いますが、なり易い素因もあるようでよく膀胱炎にかかる人、全くかからないで一生を終える人と様々です。また、オシッコを長く我慢していて膀胱の粘膜が過伸展していると、細菌がついたり血行不良で炎症を起こしますので、したいと尿意を感じたらできるだけ早くオシッコをしましょう。

 それに対して男性の場合は尿道炎が多く、年齢を重ねると前立腺の病気が多くなります。就寝してから何度もオシッコに行って十分に眠れないと悩んでいる人も結構多く、久しぶりに同窓会へ行ったら、お前もか、お前もかと話題が盛り上がったとの話をよく聞きます。子供のころにオシッコの飛ばしあいをしたことを懐かしんでいても仕方がありません。前立腺肥大症は良性の腫瘍といってもよいですが、オシッコがジャーっとでているあいだは大丈夫、でも、60歳前後からは健診を受け、天皇陛下もおなりになった、悪性腫瘍の前立腺がんがないかを調べておくほうが安心です。ジョロジョロとでるようになったら警戒警報ですよ。腎臓や膀胱のがんは少ないですが、日常生活の欧米化が進み、むかし日本人には少なかった前立腺肥大症は多くなり、高齢化とともにがんも増えています。オシッコの切れが悪いとか勢いがなくなった、オシッコをしてもすっきりしないと感じたら年齢に拘わらず検査を受けてみましょう。

 女性の膀胱炎や男性の尿道疾患は、専門の医者に行くのが恥ずかしいと思い受診が遅れがちになります。キチンと専門医で診察をうけ、原因を確かめておくことこそ予防につながるのではないでしょうか。
 小院では泌尿器科の患者さんのオシッコは毎回かならず検査をします。専門外のことですが最近糖尿のでている患者さんをよく発見します。一年に一回か二回くらいの健診ではお腹が空いているときにはでない糖尿も、続けて検査をしていれば容易に発見できます。


性病科
 第2次大戦後、性病予防法という法律が制定され、淋疾、梅毒、軟性下疳そして鼠径リンパ肉芽腫症(第4性病)の四つが対象疾病でした。現在は性の多様化からウイルスや細菌、カビや原虫など、性交渉によって感染する可能性のある病気を総称して性行為感染症といっています。

 淋疾や梅毒、軟性下疳は一時非常に少なくなり、性病という言葉もなくなるのではないかといった時期もありましたが、今ではすっかり有名になったHIV(エイズ)の発症以後、だんだんその疾病数や患者数も増え、感染源の特定も進んで性病予防法は平成10年に廃止され、新しく制定された感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(新感染症法)の5類感染症の中に組み込まれています。

性感染症ハンドブック
性感染症ハンドブック
 コロンブスが新大陸からヨーロッパに持ち帰ったといわれる梅毒は、日本では40年前まで珍しい病気ではありませんでしたが最近では少ないようです。淋菌感染症も一時減少し、ペニシリンなどの開発から絶滅するのではないかと思われましたが、少しずつ増加し、現在では普通にみられます。人間には五欲があると言われていますが、そのうちの一つ性欲(色欲)がある限り性行為感染症はなくならないのかもしれません。

 クラミジア感染症も決して新しい病気ではありません。昔の性病の一つ、鼠径リンパ肉芽腫症はクラミジアによるものです。オーラルセックスやアナ―ルセックスなど性行為の多様化によって再興してくる性感染症、或いはエイズのように新興感染症が今後発症してくるかもしれません。しかし検査方法や治療薬はまだまだ発達しますので私はそんなに心配はしていません。それよりも正しいセックスの在り方や性のモラルをしっかりと教える性教育を、学校でも家庭でも充実させて欲しいと思っています。

 人間失敗はままあるものです。もし万が一、ヤラレターと思ったら恥ずかしがらず、怖がらず、すぐにいらっしゃい。もし、大切なセックスパートナーがいらっしゃるならご一緒にどうぞ。私がついています。
 石川県医師会では性感染症ハンドブックを作成し、専門の性病科に配布しています。勿論、私のところにも用意してあり、来院された患者さんには無料で差し上げています。


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