第10回 「帰依のことば


口に唱えて(いわ)

南無帰依仏(なむきえぶつ)南無帰依法(なむきえほう)南無帰依僧(なむきえそう)


浄信を専らにして仏法僧の三宝に帰依し、合掌低頭して帰依のかたちを表しながら、口にする「帰依のことば」が「南無帰依仏(なむきえぶつ)南無帰依法(なむきえほう)南無帰依僧(なむきえそう)」です。「儀式に学ぶ 第11回 故人へのお誓い」の中で「南無(なむ)」という言葉について説明させていただきましたが、これは梵語(ぼんご)(古代インドのサンスクリット語)の「ナモ」を音訳した言葉で、「帰依」を意味する言葉でした。

ということは、「南無帰依仏(なむきえぶつ)」とは“仏”に対する帰依を、「南無帰依法(なむきえほう)」とは“法”に対する帰依を、「南無帰依僧」とは“僧”に対する帰依を意味していることに気づきます。すなわち、これらは帰依三宝の意志を発した言葉、「帰依の発露」を表現した言葉なのです。

そうした帰依には、帰依できる理由があります。次回はそのお話をさせていただきます。