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2次元コードの導入時の注意点

2次元コードの導入時の留意点としては、以下のものが考えられます。

1.コードそのものの持つ特性:(1)コードサイズの自由度(必要とするサイズに対応可能か)特に小型化が要求されるアプリケーションには重要なポイントです。(2)データ量(予定サイズのコードにどれだけの情報が入るか)仕様上は多くのデータが入っても、実際のアプリケーションにした場合には読み取り条件などの制約から、あんまりデータが入らないこともあります。(3)日本語のコード化(コード化と、コードのデータ化)アプリケーションによっては日本語データをそのままコードにすることが必要な場合もありますが、対応していないコードもあります。また、対応していても使い勝手の悪いものもあるようです。

2.CCDカメラで捉えたコードイメージをデータに変換するデコーディングプログラム:コードのイメージデータを本来の文字データに変換するデコーディングプログラムの善し悪しで、厳しい条件の時の変換効率に差が出ます。生産ライン(半導体のラインみたいに環境が良い場合は除いて)に導入する場合などは重要です。

3.CCDカメラで捉えた2次元コードの画像をイメージ情報に変換する画像処理システム:案外見落とされがちなポイントです。2次元コードのシステムは基本的にCCDカメラによる画像処理をスタートにしていますので、デコーダに組み込まれた画像処理システムの善し悪しは、厳しい条件下ではかなり強力に効いてきます。デモ運転では良好でも、実際のライン立ち上げに苦労する場合は、大抵ここにネックがあると思われます。画像処理の業界では、朝は良好に稼動していたのに夕方はミスが発生した。「その原因は夕日」などと言った笑えない笑い話も数多くあります。

4.コードの印刷精度:1cmを超えるような大型?のコードは別にして、小さいコードの場合には印刷精度も読み取り精度に影響を与えます。ラベルへ印刷した時などは、特に注意が必要です。また、インクジェットによるアプリケーションも考えられているようですが、インクジェットだと、1セル0.5mmのサイズは厳しいと思われます。

2次元コードの用途は色々考えられますが、この用途によってそれぞれのポイントの重要性が変わります。例えば宅配便の仕分けなどの物流に用いた場合には、コードのサイズはある程度大きくできるので、画像処理の精度はこの点からはあまり求められませんが、画像処理の上で大きな問題となる照明の条件は厳しくなります。一方日本語そのもののコード化は要求されることはないと思われます。飲料や薬品の生産ラインだと、コードは小型で、照明条件もあまり期待できません。日本語そのもののコード化も、ひょっとしたら要求されるかもしれません。おまけにコードの印刷精度が悪かったら最悪です。

2次元コードはその特性から、かなり小さなマークで使用されることが想定されます。マークが小さいとそれだけ画像処理上の制約条件が厳しくなりますので、優れた画像処理システムが必要となります。外光や周囲の設備からの影響を受けるようでは満足に使用できません。また、何かの影響で環境が変わったときに、オペレータが簡単に調整できないと、これもまた大変なこととなります。そういう意味でも、実際に導入に当たってセッティングする会社(開発会社以外がセッティングする場合が多い)が優れた画像処理技術を持っていること、その技術に基づき調整が容易であることが次のポイントとなります。勿論、サポート体制がしっかりしていれば、調整の容易さは多少問題があっても大丈夫でしょう。

最後に上記の画像処理からデコーディングまで行うデコーダの使い勝手がよいか、をあげたいと思います。はっきり言って2次元コードのデコーダで、使い勝手の良いものはまだお目にかかっていません(私が知らないだけか?)。日本国内の生産ラインでは、まだテストランがほとんどのためでしょうか、各社とも引き続き開発中とは思いますが、まだまだと言ったところです。(1998.08.15)