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第2部 特許にまつわる、誰も言わない最近の話題

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鳳凰photo知的所有権の価値判断


最近融資の担保に知的所有権を使うとか、財産管理の信託対象に知的所有権も含めるとか言う話題が増えてきている。しかし寡聞にして実際にそういうことがあったとは(特に特許権では)聞いていない。

理由は簡単である。特許などの価値を判断できる人材がいないのである。映画やキャラクターなどの著作権であれば、それなりに価値判断できる人材も育っているが、こと特許権に関してはお寒い限りである。特許自体の技術的価値を判断できるのは、実際に当該分野の技術を広く知っているものに限られる。一方その特許の特許たる効力の強弱を判断するためには、特許法の基礎はもちろんのこと、その分野の特許情報に精通していないといけない。まあ、その分野の特許情報というのは、特許の基礎を持っている者が一週間ぐらい特許調査すれば判明するものですが。。。いずれにしても技術と特許を両方分かる人でないと判断できないのです。そのような人間は日本中探しても数えるほどであり、金融機関が見つけられるはず無いです。仕方がないので、技術の分かる者と特許の分かる者を別々に準備することになりますが、それとてこの両者のレベルがある一定レベル以上であり、しかも両者が綿密に打ち合わせを行って意志の疎通が図られないといけない。

このような条件を満たすためには様々な分野のエキスパートと特許のエキスパート、しかも全員が意志の疎通に長けていないといけないことになる。それだけのスタッフを集めるのも難しいが、維持することはほとんど不可能であろう。実際に事業とするときには外部の人材を必要に応じて参集できるように組織を組み立てなくてはならない。はて、それだけのことができる、いや、その必要性を認識している人が、彼の業界にいるのであろうか?大いに疑問である。(2003.2.12)

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