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ディスポーザについての考察

最近新聞等で、キッチンに設けて生ゴミを破砕するディスポーザなるものの話題を目にかけるようになった。生ゴミを手をかけずにそのまま排水溝から流せるので手間いらずと言うわけである。しかしディスポーザとは本当にそんなに良いものなのであろうか?
生ゴミを粉砕して下水道に流すだけのもの(米国に実績あり)だと、生ゴミは下水処理場に送られるわけで、下水処理場の負荷が上がり好ましいはずのない代物である。もっとも、今日本で導入を考えられているものはゴミ処理の仕組みをどこかに仕込んで、ここである程度の処理を行ってから下水に流すものであり、下水処理施設の負荷は汚染物質の種類によっては今より少なくなる可能性もあるそうだ。
しかし生ゴミをディスポーザで粉砕しても、混入する骨などの難分解物やプラスチックなどの非分解物はどうするつもりなのか?下水に含まれるリンが大幅に上昇するが、脱リン(リンを除去すること)をどうするのか?下水道前での処理の仕組みが世間一般に聞こえてこない状態なのではっきりとは言いきれないが、現在の下水処理場では脱リンが十分行われないことは、有識者の間では有名であり、下水道前で処理できるとはとうてい思えない。リンが多いと処理後の下水を放流した先が富栄養化して、藻類が繁茂し、赤潮などの被害が発生することは周知の事実である。しかも赤潮などの原因になる程度の低濃度リン(業界ではこう言います)の除去方法はまだ確立されていないのである。


ところが、最近は某超一流国立大学の名誉教授に始まり下水道政策研究会委員など、何人もの識者がディスポーザを推奨している。たしかに、生ゴミを一般ゴミと一緒に焼却することと比較すれば省エネルギーと資源の無駄使い防止になるとも言えないことはないが、この人たちは固形分の生ゴミを水に混ぜて処理する場合の負荷量を分かっているのだろうか?

生ゴミの処理は、ベストを考えれば飼料化であり、次善の策は肥料化であること(現在一般に知られている方法では)は、ほんの少しの知識とまともな精神を持っていれば当然たどり着く結論であり、それを無視してのディスポーザ推奨論は理解できない。

ディスポーザを設けるくらいなら生ゴミ処理機を設置する方が、よっぽど環境に優しいことは明らかである。問題は国民が生ゴミを分別して生ゴミ処理機に投入してくれるかということと、できた堆肥を必要とするところがあるかで、そう言うシステム作りに頭を使った方がよっぽど良い結果が得られると思うのだが、皆さん如何でしょうか?

2000.11.03一部修正。一部情報に偏ったところがあり、内容に誤解を生む箇所がありましたので、修正しました。小生の考えはディスポーザを完全に否定するものではありません。

2001年10月7日付日経新聞に「生ゴミ減量で環境破壊の怪」という記事が載っていた。1年を経過してようやく我が意を得たり、といった気持ちである。この中で幾つか小生の見落としていたポイントがあったので紹介する。まず、ゴミ処理の仕組みを仕込んだディスポーザであるが、メンテナンス不良により処理されない生ゴミが下水道に流れ込む危険性があるとのこと。確かにディスポーザは何もしなくて良いのが便利でよいのだから、わざわざ未処理の生ゴミがそのまま下水に流れていないか調べるような人もいないであろう。また、一般的にはマンションなどで集中処理したのと下水管へ放流となるのであるが、ちゃんと管理してくれるのか不安はいっぱいである。もう一点、ディスポーザの粉砕生ゴミをそのまま流すと、下水管のつまりの原因となるとのことである。下水道を管理する側からすると、処理場の負荷増加よりこちらの方が深刻なようである。(2001.10.28)