写真 | 俳
句 | 説 明 | 撮影
箇所 |
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物書て扇引さく名残哉 |
北枝 季題に「秋扇」があり、秋になって不要となり顧みられなく
なった扇を言う。古来、寵愛を失った女の人を指している。扇にその句
を記して北枝に与え、別れがたい感情をせつせつとして述べたのであろう。 |
福井県松岡町 天龍寺 |
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月清し遊行のもてる砂の上 |
敦賀は昔、任那(みまな)の都怒我阿羅斯(つぬかあらし)が帰化したと
いい、その名前が地名の由来となったと聞く。気比明神がまつられる近くの沼
に毒龍がいたので、他阿上人が土砂を入れて封じ込められた。名月行 |
福井県松岡町 天龍寺 |
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名月や北国日和定なき |
名月行 敦賀での名月を切望していたのに、主人の言葉通り昨晩とは
うって変わって雨になってしまった。本当に北国日和は定めのないことだ
なあ。 |
福井県種が浜(ますほの小貝) |
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寂しさや須磨にかちたる浜の秋 |
芭蕉が西行にひかれ、そしてすてきな名前ひかれ「種の浜(いろのはま)」
に幻想とイメージと現実の中に遊んだ。 |
福井県敦賀市 色が浜 |
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浪の間や小貝にまじる萩の塵 |
種浜逍遥 何一つ目をひくもののないこの色の浜の寂しさは、古来名高い
須磨の秋景色よりも勝っているように感じられる。ますほの小貝(学名:千鳥
ますほの小貝)ますほは「真緒」と書き赤を意味するが実際はうすいピンク色で
その愛らしさは頬ずりしたくなるほどだ。
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福井県敦賀市 色が浜 |
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蛤のふたみにわかれ行く秋ぞ |
蘇生 蛤の蓋と身が別れるように、親しい人々と別れて二見に向かうのは
つらいことである。折から秋も暮れようとしており一層寂しさがしみじみと
感じられることだ。 |
福井県敦賀市本隆寺 |