「一ツ灸」の様子


灸をしてぼけない六ヵ条
一、人の世話をよくし、感謝のできる人
二、仲間がいて、気持ちの若い人
三、よく笑い感動を忘れない人
四、ものをよく読み、よく書く人
五、趣味の楽しみを持ち、旅の好きな人
六、高源院の「一ツ灸」によく来る人

                                      合掌

いつもお手伝いをお願いしている鍼灸師の先生が作ってくださった六カ条です。なかなかユニークですね。

今年の「一ツ灸」 ―“相伝(そうでん)”ということ―
相伝(そうでん)「一ツ灸」という言い方をします。明治時代に富山県・氷見市の東泉寺(とうせんじ)様より仏縁によって石川県・金沢市にある高源院に伝わって以来、男性は左膝、女性は右膝に3年続けて灸を据えれば、無病息災、難病に罹ることなしということを代々、平成26年の今日まで相伝えてきたことが“相伝”の意味するところです。

ということは、世の中が変わり、人々の考え方が変わろうが、どんなことがあろうが、伝わってきているものを簡単に変えるわけにはいかないということです。

そんな相伝「一ツ灸」に今年も大勢の方々が据えに来てくださいました。併せて、昨年、好評だった島田鯛子先生による白山麓の山野草を用いたフラワーアレンジメントが堂内に彩りを添えてくれました。今回は「スモークツリー(煙り草)」が人々の目を引きました。また、先生から花束のプレゼントもありました。
無病息災を願って・・・


“相伝”の難しさ ―昔はよかった!?―
相伝と言っても、同じことをただ機械的に繰り返すだけなら、難しいわけではないでしょう。しかしながら、行事というのは、その時々の世相や人々の考え方など、様々な要素との関わりの中で運営されていくものです。調子がいい時期もあれば、中々、上手くいかなくて悩まなければならないときもあるのが当然で、常に上り坂であるとは限らないものなのかもしれません。

ここ数年、確かに多くの人がお参りにいらっしゃるとはいいながらも、時間帯によっては人の流れが途切れるという事態が生ずるようになりました。(そのことを個人のブログで指摘する方もいらっしゃいます)また、かつてのように込み合って、堂内で身動きすることさえできないといった状況ではありません。「昔はすごかった」という声をよく耳にしますが、中々、昔のような活気を取り戻すのも簡単ではありません。

医学や科学技術が日進月歩に成長し、人々の信仰もかつてほど強いものではなくなってきている平成の世において、難しいことかもしれませんが、「相伝を護りながら、どうすれば活気のある一ツ灸になるのか・・・?」を模索いきたいところです。決して、過去の栄光などど胡坐をかかずに、今は、まさに「悩み時」と捉えながら、「活気のある一ツ灸」を取り戻していきたいものです。



一ツ灸を据える人々


過去の現場を直撃!!

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